ドット刻印機(ドットマーカー)のメーカーおすすめ3選

製品や部品に番号やロゴを刻印し、トレーサビリティや品質管理を支える際に欠かせないのが、ドット刻印機(ドットマーカー)です。高精度で安定したマーキングを行うには、信頼できるメーカーの選定が重要になります。本記事では、国内外で実績を持つトーチョーマーキングシステムズ、株式会社IZUSHI、グラボテックの3社を紹介します。

トーチョーマーキングシステムズ

部品の識別や品質管理のために、正確で見やすい刻印を行うことは、生産管理やトレーサビリティの面でも重要です。こうしたマーキングの分野で高い評価を得ているのが、トーチョーマーキングシステムズです。以下では、同社の特徴と主力製品であるドット刻印機(ドットマーカー)について紹介します。

一貫生産による信頼のマーキング技術

トーチョーマーキングシステムズは、国内で唯一、自社一貫生産を行う刻印メーカーです。設計から組み立てまでを自社で完結し、高品質で安定した製品を提供しています。

トーチョーマーキングシステムズが提供するマーキングソリューションは、部品の品質保証や偽造防止、トレーサビリティ確保などに幅広く活用されています。

製品ラインアップには、手打刻印、打刻ツール、レーザーマーカー「HubLASER」、ドット刻印機「Patmark」「MarkinBOX」などがあり、用途に合わせた最適な刻印を実現可能です。

手軽で高品質な刻印を実現する「Patmark」

「まだ、ハンマーをお使いですか?」のキャッチコピーで幅広く知られる「Patmark」シリーズは、バッテリー駆動のモバイルドットマーカーです。軽量で持ち運びがしやすく、電源を取りにくい現場でも使用できます。

専用アプリで簡単に操作でき、スマートフォンから刻印内容を入力してすぐに打刻可能です。また、強さや深さの調整も自在で、素材やロゴの形状に合わせた美しい刻印を実現できます。

手作業のようなムラがなく、誰でも均一な品質を保てる点も特徴です。ボールねじやアルミ製品など、多様な部品刻印に利用されています。

自動化に対応する「MarkinBOX」シリーズ

電動ドット刻印機「MarkinBOX」シリーズは、オフライン・インラインの両方に対応する高汎用モデルです。MB2Sをはじめとした定番モデルに加え、最新のMB3シリーズではUSB-Cポートを標準装備し、Ethernet I/P接続やバーコードリーダーの直結にも対応しています。

加えて、PCなしでも刻印できる利便性を実現しています。また、文字の美しさや安定性に優れ、量産打刻や製缶品、配管部品など、正確さが求められる現場で多く採用されています。コンパクト設計で導入も容易なため、自動化と品質を両立したい企業に最適なモデルです。

株式会社IZUSHI

製造現場で求められる「トレーサビリティ」は、品質管理や安全性の向上に欠かせない要素です。その中心的な役割を担うのが、部品に直接情報を刻むマーキング技術です。ここでは、テクノマーク製品を取り扱う株式会社IZUSHIと、信頼性の高いドット刻印機(ドットマーカー)について紹介します。

グローバルブランドを支える日本総代理店

株式会社IZUSHI(旧:株式会社出石)は、フランスの産業用マーキングメーカー・テクノマーク(Technomark)の日本総代理店として、トレーサビリティ分野を支えています。産業用マーキング機器を中心に、電磁式ドット刻印機やレーザー刻印機「GRAPHIXシリーズ」など、多様な製品を提供しています。

国内企業のニーズに合わせた最適なソリューションを提案している企業です。また、製品の販売にとどまらず、導入時のアドバイスやメンテナンスサポートにも力を入れており、現場の生産効率や品質保証体制を強化するパートナーとして信頼を集めています。

電磁式ドット刻印機が実現する安定したマーキング

株式会社IZUSHIが扱うテクノマークのドット刻印機は、電磁式を採用した高精度なマーキング装置です。ワーク表面にピンで細かな点を打刻し、文字や記号、QRコードなどを形成します。

最大の特徴は、テクノマークが特許を持つ「IDI(インテリジェント・ドライビング・インパクト)」機能です。刻印対象との距離を自動計算し、常に最適な打刻を行うことで、深さや文字品質のばらつきを防ぎます。この機能により、素材や形状が異なる部品でも安定した刻印が可能です。また、電磁式のためエア供給が不要で、省エネルギーかつ静音性にも優れています。生産ラインの自動化や作業環境の改善にも貢献する設計です。

用途に合わせて選べる多彩なシリーズ

テクノマークの「Connectシリーズ」は、使いやすさと柔軟性を両立した人気モデルです。「Easy」はワイヤレスタイプで取り回しがしやすく「Buddy」はAndroidタブレットで簡単に操作できます。

「Combo」は卓上でもハンディでも使える2 in 1モデルで、作業環境に応じて自由に切り替えが可能です。さらに、最新モデルの「TEMPO」はネットワーク対応のインライン型として登場。自動化ラインとの連携がしやすく、量産現場にも対応できます。加えて、ロゴ作成用ソフト「Logpro」などの専用ソフトも用意されており、より多彩なマーキングが実現できるでしょう。

グラボテック

製造現場で求められる品質保証や製品管理の中で、欠かせないのが「刻印技術」です。製品の識別やトレーサビリティを確保するために、正確で美しいマーキングが必要とされています。世界的なマーキングメーカーであるグラボテックは、こうしたニーズに応える多彩な刻印機を展開しています。以下では、グラボテックの特徴と取り扱う主な刻印機について見ていきましょう。

マーキング業界をリードするグローバルメーカー

グラボテックは、彫刻機・刻印機・レーザーマーカーの分野で世界的に知られるメーカーです。フランスに本社を置き、日本をはじめ世界各地に拠点を構えています。

事業内容は、彫刻機や刻印機、レーザーマーカーの開発・製造・販売を中心に、CAD/CAMソフトウェアや彫刻材料の提供など幅広く展開しています。金属や樹脂、硬化鋼などさまざまな素材へのマーキングに対応しており、部品管理や製品識別など、産業の現場を支えるトータルソリューションを提供しているのです。これまでに累計30万台を超える出荷実績を持ち、その高い信頼性と技術力により、自動車・航空・医療・電子部品など、幅広い分野で採用されています。

マイクロインパクト方式で実現する高速かつ高精度な刻印

グラボテックの代表的な技術のひとつが、マイクロインパクト方式刻印機です。ピン先で微細な点を打ち、文字やコードを構成するこの方式は、グラボテックが1981年に開発した技術でもあります。

この刻印機は、半永久的なマーキングが可能で消耗品が不要という経済的な特長を持ち、プラスチックから鋼鉄まで幅広い素材に対応します。頑丈でコンパクトな設計のため、生産ラインへの組み込みにも最適です。

また、シリアル番号や日付、ロゴ、QRコードなど、あらゆる情報を高速で刻印できるため、トレーサビリティ管理にも役立ちます。現場作業者の操作負担を軽減しながら、安定した品質を保てる点も大きな魅力です。

静音性と美しい仕上がりを実現する多様な方式

グラボテックは、マイクロインパクト方式以外にも、用途に合わせた刻印機を多数取り揃えています。罫書き式マーキング装置は、ダイヤモンドやカーバイド製のスタイラスを使い、線を描くようにマーキングする方式です。

静音で高品質な実線刻印ができるため、車両識別番号(VIN)など、深く滑らかな線が求められる用途に適しています。さらに、レーザーマーカーはファイバー・ハイブリッド・グリーンレーザーなどを用い、金属や樹脂など多様な素材に非接触でマーキング可能です。高い静音性と精密さを両立し、英数字やバーコード、2次元コード、ロゴマークなど、さまざまな加工に対応します。

まとめ

本記事では、ドット刻印機(ドットマーカー)のおすすめメーカーとして、トーチョーマーキングシステムズ、株式会社IZUSHI、グラボテックを紹介しました。いずれのメーカーも、確かな技術と信頼性を備え、製造現場の多様なニーズに応える製品を展開しています。トーチョーマーキングシステムズは、自社一貫生産による高品質な製品づくりで国内から厚い信頼を得ており、株式会社IZUSHIはテクノマーク製品を通じて、安定した電磁式打刻機を提供しています。そしてグラボテックは、世界的なマーキングメーカーとして、高精度かつ美しい刻印を実現する多様な機種を取り揃えています。導入環境や刻印対象に合わせて最適なメーカーを選ぶことで、より効率的で高品質なマーキングが実現できるでしょう。