おすすめの刻印機メーカーを紹介します！

刻印機の種類とその違い

刻印機は、製品への品質表示や識別情報を付与するために、製造業をはじめとするさまざまな分野で利用されています。また、刻印機には、対象物の材質や刻印の用途、求められる耐久性に応じて、多くの種類が存在します。

最適な一台を選ぶためには、それぞれの刻印機が持つ特性やメリットを把握しておくことが重要です。ここでは、刻印機の基本的な情報からおもな種類とその違いについてご紹介します。

刻印機とは？

刻印機とは、電磁力や超音波、レーザーなどを利用して、金属やプラスチック、ガラスなどの対象物の表面に文字や図形を刻み込む装置です。対象物そのものに情報を刻みつける方法であるため、印字と比べて高い耐久性があるのが特徴です。また、摩擦が加わったり、時間の経過による劣化が起こりにくいため、長期間にわたる識別や過酷な環境下での使用が想定される製品に適しています。

似たような役割を持つ機器として印字機（インクジェットなど）があり、こちらはインクやレーザーなどの技術を用いて対象物の表面に情報を印刷する仕組みです。インクを使用する印字機の場合、刻印と比較して印字がかすれるリスクはありますが、製品にキズを付けずに印字が行えるという特徴があります。反対に刻印機は、耐久性を重視したい場合に活用されるケースが多いです。

刻印機の種類

刻印機には、打刻方式やレーザー方式など、さまざまな原理や構造を持つ種類があり、用途に応じて使い分けられます。ここでは、数ある刻印機のなかでも多く利用されている「手打刻印」「ドットマーカー」「レーザーマーカー」の3つをメインにご紹介します。

手打刻印は、刻印を手で押さえてハンマーなどで打ち付けることで、対象物に深くしっかりと打刻を行う方法です。深いキズができるため、摩擦が加わっても劣化しにくい耐久性があるのが特徴です。アルミやスチールなどのパーツ、動かすのが困難な重量物への刻印に適しています。

ドットマーカーは、「マイクロインパクト方式」とも呼ばれ、マーキングピンを空気圧または電気で駆動させ、対象物の表面に点群を打刻します。凹凸のある金属や合成樹脂などの硬い材質に打刻する際に便利であり、対象物の表面が濡れていたり粉塵が付着していても問題なく打刻することが可能です。

レーザーマーカーは、レーザー照射によって対象物の表面に化学的事象を発生させ、加工を行います。コンピューターで制御される仕組みで、非接触であるため、打刻によるダメージを与えずに刻印できるのが特徴です。小さなパターンをスピーディーかつ精細に刻印できるため、金属や非鉄金属、紙、フィルムなど、幅広い素材に対応できます。

刻印機はほかにも、「ロールマーカー」「プレスマーカー」「チャックマーカー」「ナンバリング刻印」「電気ペン」などのさまざまな種類があり、用途によって細かく使い分けることが可能です。

刻印機を選ぶ基準

刻印機の導入を検討する際は、さまざまな製品のなかから、自社の用途にもっとも適した一台を選ぶことが重要です。刻印機には多様な種類があり、それぞれ得意とする材質や加工方法が異なります。

最適な機種を選ぶうえで、ただ機能を比較するだけでなく、刻印対象の素材、形状、求められる品質や耐久性といった基準で絞り込むのがおすすめです。ここでは、刻印機を導入する際に考慮すべき4つの基準をご紹介します。

対応できる材質

刻印機を選ぶ基準のひとつとして、加工対象の素材があります。刻印機の多くはほぼ全ての素材に対応できますが、とくに素材の硬度には注意が必要です。

プレス式の刻印機は、超硬などの高硬度素材に刻印を施すことができません。これに対して、エアペン式、超音波式、レーザ式は、高硬度素材や樹脂製品を含む、ほぼ全ての素材への刻印が可能です。使用する素材が高硬度である場合は、プレス式以外の3つから検討するとよいでしょう。

加工対象の形状

刻印を行うワークの形状も、機種選定の重要な基準となります。表面に凹凸があるものや、円筒形状のものに刻印をする必要がある場合、選べる刻印機が限られます。

プレス式の刻印機は、表面に凹凸面のあるワークへの刻印が苦手です。一方、エアペン式、超音波式、レーザ式の3つの刻印機は、凹凸と円筒の両方の形状に対応しているのが特徴です。そのため、円筒形の部品や、曲面や段差のあるワークに刻印が必要な場合は、プレス式以外の機種を検討するのがおすすめです。

接触型か非接触型か

刻印を行う際に、ワークに物理的に接触するか否かも重要な選択肢です。ワークへの接触が許されない場合や、デリケートな製品への加工を検討している場合は、この基準で絞り込むことができます。

プレス式、ドット式（エアペン式、超音波式を含む）、は、物理的にワークへ接触して刻印する方式です。これに対し、レーザ式は非接触で刻印ができる唯一の方式であるため、ワークへの接触が不可である、または傷を避けたい場合は、非接触で加工できるレーザ式を選びましょう。

刻印の深さと仕上がり

刻印された情報の耐久性を求める場合は、刻印の深さを基準に選ぶのがおすすめです。刻印が深いほど、消えにくくなるため、品質に関わる場所では消えにくい刻印にすることが重要となります。

刻印の深さは、プレス式がもっとも深く、次いでエアペン式、超音波式、そしてレーザ式の順に浅くなります。耐久性を優先する場合はプレス式などがおすすめですが、薄板などに深い刻印を施すと歪みやすくなるため、薄い素材への刻印には注意が必要です。

刻印機のメリット・デメリット

刻印機を導入することは、効率化につながり、企業の生産活動に大きな効果をもたらします。とくに刻印の品質が安定することや生産力の向上は企業の競争力に直結します。

一方で、導入にはコストがかかるなどのデメリットもあり、導入前にメリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。ここでは、刻印機の具体的なメリットやデメリットについて詳しくご紹介します。

刻印機のメリット

刻印機を導入することで得られるメリットは数多くあります。まず、品質の向上と安定化が図れる点は大きなメリットのひとつです。作業員が刻印の設定を正しく行えば、終日にわたり正確に刻印が可能で、ミスをする心配がありません。また、ミスを防ぐだけでなく、深さや位置を統一できるため、誰が機械を操作しても同じ品質で刻印が可能になり、品質のバラつきが解消され、安定した製品を供給できます。

次に、生産能力が向上することもメリットです。機械での刻印は、人が手で行うよりも速い速度で刻印できるため、同じ時間内でより多くの製品を生産することが可能になり、生産量を増加できるでしょう。さらに、人手を減らしても同品質の作業が可能になるため、人員不足の解消にもつながります。

そして、安全性の向上も重要なメリットのひとつです。刻印作業に人が介入する機会が減るため、ハンマーで手を叩いてしまうなどの労災リスクを回避できます。これにより、作業者の負担が軽減され、熟練者に依存せずに刻印作業を自動化できることで、人件費の削減にもつながるなど、幅広い効果が期待できます。

刻印機のデメリット

自動刻印機の導入には多くのメリットがありますが、いくつか知っておきたいデメリットも存在します。

まず、初期導入コストがかかる点です。刻印機は決して安いものではないため、負担が大きくなってしまう点は、デメリットといえるでしょう。

ただし、価格が安くても機能が十分なメーカーを選ぶことで負担を軽減できるため、しっかりと製品を見極めることがおすすめです。また、刻印機を自動で動かすには、刻印部の往復運動やレーザーの照射に対する、安全柵や保護カバーなどの安全対策が必要となります。

次に、操作や設定の習熟が必要である点も、ハードルの高さを感じるかもしれません。ただし、導入後に操作や設定についてのサポートがあるメーカーを選ぶと不安を感じにくいでしょう。刻印機は刻印工程を自動化するものであり、刻印が正しく完了しているかをチェックする工程は別に必要です。この確認工程についても自動化を検討することで、導入の効果を高めることが可能です。

「刻印機を導入する際に重視したいポイントは何ですか？」Webアンケートで調査！

製造や加工の現場で活躍する刻印機。導入する際には、どのような点を重視すればよいのでしょうか。今回は、刻印機の導入に関してWEBアンケートで調査を行ったので、内容を確認していきましょう。

第1位は「コストパフォーマンス」でした。刻印機は業務効率化のための重要な設備ですが、導入コストも決して小さくはありません。そのため、価格と性能のバランスが取れているかを重視する声が多く挙がりました。たとえば、ランニングコストやメンテナンスのしやすさなども含めて総合的に見たときに、長期的にコストを抑えられる機種を選びたいという意見が多く聞かれました。予算内で性能を最大限活用できる製品を見極めることが、導入後の満足度にもつながるようです。

第2位は「製品の耐久性・信頼性」でした。刻印機は連日稼働させることも多いため、故障のリスクが低く、長く使える製品が好まれています。とくに金属やプラスチック、ガラスなど幅広い素材に対応する機種の場合、繊細な調整や長時間の安定稼働が求められます。そのため、耐久性の高さに加えて、実績のあるメーカーや導入事例の多い製品が選ばれる傾向にありました。導入時には仕様書だけでなく、実際の稼働実績なども参考にすると安心です。

第3位は「専門的なアドバイスや提案力」「導入後のサポート体制」でした。刻印機は用途や使用環境によって最適な仕様が異なるため、製品選定の段階から専門的な知識を持った担当者がしっかりと対応してくれるかが重要視されています。導入後の操作指導やトラブル対応なども含めて、サポート体制が整っている企業であれば、長く安心して使用できるという安心感があります。とくに初めて刻印機を導入する企業では、アフターサポートの手厚さが判断材料になるようです。

以上がアンケートの結果となります。刻印機の導入は単に製品を選ぶだけではなく、長期的な視点で信頼できるパートナーを選ぶことも大切です。費用・性能・サポート体制の3つをバランスよく見極めながら、自社に最適な選択を進めていきましょう。

刻印機メーカーを選ぶときのポイント

刻印機の導入を成功させるためには、自社のニーズに正確に合った機種と、信頼できるメーカーを選ぶことが重要です。刻印機のメーカーや代理店はさまざまありますが、価格や機能だけでなく、導入後の長期にわたる運用を見据えた視点で比較しましょう。ここでは、刻印機メーカーを選ぶうえでとくに重視したい5つのポイントをご紹介します。

自社に適切な機能と価格か

刻印機は多機能になるほど価格が上がる傾向がありますが、実際に利用する機能は限られていることが多いものです。そのため、自社にとって本当に必要な機能だけを備えた機種を選ぶことが、コストを抑えながら高品質な製品を導入するために重要なポイントといえるでしょう。

海外製の刻印機は、輸送費や関税などがかかることで高価格になることもあるため、国産の製品も含めて検討するのがおすすめです。費用対効果を最大化するためにも、不要な機能に対するコストを削減し、自社の用途と予算に見合っているかを確認しましょう。

専門的なアドバイスや提案力はあるか

自社の製品や生産ラインに適した刻印機を導入するためには、専門家の的確な提案が欠かせません。刻印機の種類は数多くあるため、機種によって得意とする加工方法や材質が異なることから、専門的な視点でのアドバイスがあると失敗しにくいです。

経験豊富なメーカーであれば、自社の状況をヒアリングしたうえで、過不足のない、最適な選択肢を示してくれる提案力があります。カタログに載っているスペックの比較だけでなく、実際の生産環境におけるノウハウに基づいたアドバイスを提供できるメーカーを選び、刻印機選びを成功させましょう。

製品の耐久性・信頼性を確保できるか

刻印機は長期間にわたって安定して稼働することが求められるため、耐久性と信頼性が重要な要素となります。故障や不具合が頻繁に発生すると、生産ラインが停止し、甚大な損失につなが可能性があるからです。

とくに、国産製品は品質が安定している点に強みがあり、多くの実績を持っているメーカーを選ぶことで安心して利用できます。導入を検討する際には、製品の材質や製造における品質管理体制などについても情報を確認し、長く安心して使い続けられるものを選びましょう。

導入後のサポート体制が充実しているか

刻印機の運用を続けていくなかで、故障やトラブルが発生する可能性はつねにあります。そのため、いざという時に迅速な対応をしてくれるメーカーであれば、刻印機を安心して使えるでしょう。

国内メーカーは、修理部品を確保しやすく、迅速な対応が可能な点が強みです。海外製の製品の場合、部品の調達に時間がかかる、あるいは修理の対応が遅れるリスクもあるため、導入費が安くてもかえって割高になってしまうことがある点には注意が必要です。導入前に、保守や修理の受付体制について詳しく確認しましょう。

製品ラインアップの豊富さは十分か

メーカーが多彩な製品をそろえていることは、自社の選択肢が広がることにつながります。幅広いラインアップを提供しているメーカーは、さまざまな業種や用途に対応してきた経験を持っている可能性が高いためです。

豊富な製品があれば用途に応じた機種の比較がしやすく、自社にとって最適な提案を受けやすくなるでしょう。刻印機の種類は多岐にわたるため、自社のニーズに合致する製品が確実に見つかるよう、ラインナップの豊富さもチェックしたうえでメーカーを選択してみてください。

信頼できる刻印機メーカーで最適な導入を実現しよう

刻印機の導入は、安定した製品の製造をサポートし、効率アップや人件費の削減などさまざまなメリットをもたらします。たくさんの刻印機メーカーがありますが、自社に適した提案や対応をしてくれるメーカーを見つけ、最適な刻印機を導入しましょう。